狂詩曲(ラプソディー)の意味とは?ぜひ聞いて欲しいおすすめの狂詩曲5選

日記

ラプソディーとは何か知っていますか?ボヘミアン・ラプソディーや葛飾ラプソディーなどが有名なので、聞いたことはあるという人は多いかもしれません。ラプソディーとは狂詩曲と訳される、楽曲の形式の一種です。自由な形式で展開され、その多くは民族的な内容を表現しています。本記事では、狂詩曲とは何かを説明し、おすすめの狂詩曲を5曲紹介します。

狂詩曲とは

狂詩曲(ラプソディー)とは、「交響曲」や「協奏曲」ような楽曲の形式の一種です。自由な形式で構成され、民族的または叙述的な内容が描かれることが多いです。

最も有名で代表的な楽曲がフランツ・リストの「ハンガリー狂詩曲」で、特に色濃く民族的な色彩が現れています。この時期の楽曲では他にも「スラヴ狂詩曲」や「スペイン狂詩曲」など地名がついているものが多くあります。これらの楽曲の多くが、それぞれぞれの土地の民族音楽を引用しながら作られています。

よりカジュアルなものとしてはガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」が有名です。これは、民族的というより、自由な感情表現が描かれています。そして、そこにはジャズの語法を用いられています。

また、「ラプソディー・イン・ブルー」 はポピュラー音楽にも大きな影響を与え、狂詩曲の形式が様々なアーティストに用いられることになりました。これが、大ヒット映画のタイトルになった「ボヘミアン・ラプソディ」や、こち亀の主題歌で有名な「葛飾ラプソディー」など、その他の「狂詩曲」「ラプソディー」がつく音楽につながっています。

狂詩曲の特徴・魅力

狂詩曲の特徴は先にも書いた通り「自由な形式の楽曲」「民族的・叙述的な色彩をもつ」という事です。

自由な形式の楽曲

自由な形式とは、どのような形式か。説明の為に逆の例を考えてみます。例えば、交響曲ならオーソドックスな形が決まっています。交響曲は大抵4楽章からなり、普通「速めのソナタ形式→ゆったり目の曲調→舞曲→盛り上がるフィナーレ」という形になるそうです。また一般的なJ-POPの曲ならもっと分かりやすいかもしれません。大抵、「Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→…」という風に構成されていますよね。

一方、狂詩曲にはそれがありません。穏やかに始まったかと思ったら急に盛り上がったり、急にテンポアップしてりします。要は、決まりや基本の形がないんですね。また、全く異なる曲調がメドレーのように繋がれたりしますし、引用も多いので実際にメドレーの様な形式になる事もあります。狂詩曲の形式についてはボヘミアン・ラプソディを聞いたことがある人は、イメージしやすいかと思います。本当に同じ曲かと疑えるようなパーツパーツがつながっていますよね。

この自由な形式というのが、分かりやすい楽しい、聞いてて飽きないという魅力につながっていると思います。狂詩曲は急にテンポが変わったり音が強くなったりするので、盛り上がり所が分かり易くて楽しいです。また、僕はあまり音楽の素養がないので、クラシックのような曲はどこか聞いてて退屈さを感じてしまうことがあります。その点、狂詩曲は目まぐるしく展開が変わる為、飽きずに聞くことが出来ます。

民族的・叙述的な色彩をもつ

民族的・叙述的な色彩をもつというのは、民族の音楽が引用されていたり、英雄について伝える内容だったりするという事です。

民族的・叙述的な色彩をもつことの魅力の一つは親しみやすさだと思います。狂詩曲には、どこか懐かしい聞き覚えのあるようなメロディーが使われています。それでいてただの民族音楽ではなく、全体はクラシックのような荘厳さもある。伝統的な楽曲の入り口としては、ピッタリだと思います。

また、これは自由な形式ともつながるかと思うんですが、狂詩曲はその性格上どちらかというと派手で華やかです。一般的なクラシックのお堅いイメージがあるかも知れませんが、素養がない人でも楽しく聞くことが出来るというのも魅力の一つです。

おすすめの狂詩曲

この先はおすすめの狂詩曲を伝えていきます。

有名な狂詩曲として

  • ハンガリー狂詩曲
  • ラプソディ・イン・ブルー
  • ボヘミアン・ラプソディ

僕のおすすめとして

  • 日本狂詩曲
  • パガニーニの主題による狂詩曲

の計5曲を紹介します。

ハンガリアン・ラプソディ(ハンガリー狂詩曲)

ハンガリー狂詩曲は、先程も書いたようにもっとも有名で代表的な狂詩曲です。また、全19曲にも及ぶ超大作で、これ以降の狂詩曲の多くに影響を与えています。

この曲を作曲した作曲家はフランツ・リストです。彼はその超絶技巧で知られるピアニストでもありました。ピアニストとしても作曲家としても多くの功績を残すリストが、幼少期に住んでいたハンガリーの民族音楽に影響を受け「ハンガリー狂詩曲」作られました。

この「ハンガリー狂詩曲」を含めリストの曲を聴くと、素人ながら超絶技巧を持つリストだからこそ作る事が出来た作品なのだろうなと感じます。オーケストラと違いピアノだけなのに、厚みや深みのようなものがあり、「ピアノってすごい楽器なんだな」と知る事が出来ました。

僕は作業をするときに、この曲を聴くことが多いのです。テンションも上がるし、集中もできるのでおすすめですよ。ちなみに一押しは第七番です。

ラプソディ・イン・ブルー

ラプソディー・イン・ブルーは、皆さんも一度はどこかで聞いた事があるでしょう。作曲はガーシュイン、20世紀前半のアメリカを代表する作曲家です。この曲は「新しい音楽の試み」と題されたコンサートに向けて作曲され、そこで初めて演奏されました。ジャズの要素が多く詰まっている作品で、即興演奏風の描写も見られます。

映画やアニメなど、様々な作品に使用される「ラプソディー・イン・ブルー」ですが、最も印象的なのは「ファンタジア2000」です。「ファンタジア2000」はディズニー制作のアニメ映画で、クラシックをバックに物語を描いたものでほぼ台詞はありません。「ラプソディー・イン・ブルー」には、ニューヨークの一日を描いたアニメーションが添えられています。慌ただしい人々の様子は、狂詩曲の曲調にピッタリで、見た後はとってこの曲が印象深いものになっているでしょう。

ボヘミアン・ラプソディ

伝説的バンド「クイーン」の名曲として、そして世界で大ヒットした映画として有名な「ボヘミアン・ラプソディー」です。アカペラから始まり、ピアノ伴奏のバラード、ハードロック、何度も重ね録りされたオペラと、非常に自由な構成になっています。あまりにも曲調が違うので、僕ははじめ別々の曲として認識していたほどです。

最近のポピュラー音楽では、ラプソディーの名前が一人歩きしている感があります。一方この曲の構成にはラプソディーの特徴が良く出ています。バラードやロック、オペラなど多くの楽曲の要素含まれていてなんでもありかと思ってしまいますが、だからこそ自由で派手でどこか懐かしく面白い狂詩曲の魅力が出ていると思います。

日本狂詩曲

「日本狂詩曲」はその名の通り、日本の民族音楽を取り入れた狂詩曲。 「日本狂詩曲」はその名の通り、日本の民族音楽を取り入れた狂詩曲。伊福部はこの「日本狂詩曲」でチェレプニン賞を受賞しデビューしています。映画「ゴジラ」の音楽を手掛けた伊福部昭の作曲です。 伊福部はこの「日本狂詩曲」でチェレプニン賞を受賞しデビューしていました。

日本狂詩曲は第一楽章「夜想曲」第二楽章「祭り」からなりま。第一楽章の初めでは、ヴィオラが主題を奏でるのですが、それが僕にはまるで雅楽の笙のように聞こえ非常に日本的で綺麗だと感じました。第二楽章はその名の通り、祝祭のような元気な曲調です。打楽器がメインに据えられており、打楽器の中には日本の民族楽器も含まれます。

初めから最後まで、本当に日本っぽさを感じる楽曲です。日本の音楽がオーケストラが溶け込む日本狂詩曲は聞いていてとてもわくわくします。

パガニー二の主題による狂詩曲

パガニー二の主題による狂詩曲は、20世紀の作曲家ラフマニノフが、天才ヴァイオリニストであるパガニーニの楽曲を主題として作曲された狂詩曲です。パガニーニは「悪魔に魂を売り渡して得た」と噂されるほどのヴァイオリンの腕前を持ち、その超絶技巧を活かし難曲を作曲しました。その中でも「24の奇想曲」は後の多くの楽曲に影響を与え、ラフマニノフも「24の奇想曲」を主題として狂詩曲を書きました。

パガニー二の主題による狂詩曲の魅力は、とにかく展開が早くて面白い事だと思います。これは、「パガニー二の主題による狂詩曲」が変奏曲という形式をとっているせいだと思います。変奏曲とは一定の主題とその変奏からなる楽曲の事で、 「パガニー二の主題による狂詩曲」 は「24の奇想曲」の24番「主題と変奏」の主題が用いられています。

最後に

さて、今回は「狂詩曲」について書いてきました。僕は音楽に関してずぶの素人なのですが、この記事を書くにあたって沢山の事を調べる必要がありました。そうして歴史や繋がり、楽曲の構成を知る事によって、今まで何気なしに聞いていた曲がよりクリアに聞こえより深い感動を味わうことが出来ました。音楽でさえも知る事によってこんなに見え方が変わるのかと、あまりに重層的な世界に打ちのめされた気分です。

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