西尾維新を推すために読むべき五冊をおすすめ。

読書

皆さんは、西尾維新を知っていますか?この質問には、「YES」と答える人が多いと思います。では西尾維新の小説を読んだことがありますか?先ほど「YES」と答えた人でも、こちらは「NO」な人いるんじゃないでしょうか。西尾維新先生は化物語や刀語など、多くの作品が、メディアミックスされておりかなり有名な作家さんです。もちろん小説も大人気ですが、アニメや漫画は見た事あるけど小説は未読ですって人も多いんかと思います。。そんなあなたの為に今回は、西尾先生の小説を推す為に読むべき5冊を紹介していきたいと思います。

西尾維新ってどんな作家?

西尾維新先生は、「クビキリサイクル」で第23回メフィスト賞受賞し、デビューしました。語り部が延々と独白を続けるような文体が特徴的で、その執筆速度が速いことでも有名です。という紋切り型な紹介もできますが、僕は西尾先生を文字を使った表現の可能性に挑戦する作家さんだと思っています。この記事を書くにあたり公式ページを覗いてみたのですが、断片小説という企画をやっていて、これも文字で遊ぶという事の一環だなと感じました。

メディアミックスされまくり

日本のアニメを語る上でも頻繁に登場する「化物語」を始めとして、多くの作品がメディアミックスされています。メディアミックスと言っているのは、漫画にもなっているからです。現在進行形で大暮維人先生の手で化物語が連載されていますし、原作者としてジャンプに連載を持っていることもありました。そんな西尾先生ですが、やはり小説を読まないとその魅力は味わいつくせないと思うのです。

おすすめ5冊

という事で、西尾先生の小説を味わうための5冊を紹介していきたいと思います。今回は、読む順番はあえてつけておりません。これは、漫画アニメで西尾先生を知ってる人も多いので、先生の作品を知ってもらう工程が必要ないと思ったからです。また、シリーズ物が多く普通に紹介するとシリーズを順番に、またはシリーズの一巻目ばかりを紹介するころになります。そこで今回は、僕がこれぞと思った作品をシリーズの途中でもおすすめしております。しかし、その場合もあくまでシリーズは順番通りに読んでいった方が良いかもしれませんので、悪しからず。

傷物語

物語シリーズ3作目「傷物語」です。この作品は、化物語の前日嘆に当たる作品で、主人公阿良々木暦と吸血鬼の出会いを描いた物語です。物語シリーズは全体を通して非常に良い作品なのですが、どれか一つだけ言われたらこの作品を推します。

西尾先生の魅力の一つに、とにかく情報量の多い地の文があります。この作品では、その長い地の文の力が余すことなく発揮されています。物語後半のシーンでは描写量で読者の心を動かしきっていると感じました。これやはり小説でしか感じ得ないもので、西尾先生の小説にはまるには十分な魅力です。また、3作目ではありますが、時系列的に一番最初になりますので単体でも楽しめます。

クビシメロマンチスト

続きまして、デビュー2作目「クビシメロマンチスト」です。デビュー作の「クビキリサイクル」が天才たちの集められた島でのいわば非日常な事件を描いた作品であるのに対し、「クビシメロマンチスト」は大学の友人間で起こる日常編です。もちろん、事件が起こるので日常からは外れていくのですが、こういった仮初であったとしても日常の設定の中にこそ潜む異常性というのが西尾先生だなと感じます。

また、この作品はミステリとしての完成度も非常に高く、奇抜な設定やキャラで目を引きがちな西尾先生の単純なミステリ作家としての凄さも味わえます。この作品は、最低限の主人公やメインの登場人物のキャラが分かっていた方がより楽しめるかと思うので、できれば「クビキリサイクル」から順番に読むことをおすすめします。

少女不十分

おすすめ3つ目は、「少女不十分」です。大学生である主人公が、ある行為を見てしまったせいで少女に監禁される。というお話です。上の二つほどではありませんが、漫画化もされているためある程度有名な作品かと思います。

西尾先生の作品には、どの作品にも「読まされる」という感覚があります。もちろん良い意味です。小説は、特にある程度の長さであれば、盛り上がるところと落ち着くところがあります。西尾先生の作品では、その落ち着いた箇所でも「なんだか読まざるを得ない」そんな力がある気がします。それをより強く感じたのがこの作品でした。もちろん読まされた後には、満足感が残ります。この作品においては鉄球をゆっくり投げつけられた、そんな感覚が残りました。この作品は、西尾先生を推すという事を無視しても、一読に値する作品かと思います。ぜひ。

きみとぼくの壊れた世界

さて、4作目は西尾作品の中では珍しく本格ミステリと銘打たれている、「きみとぼくの壊れた世界」です。本格ミステリと言っても、ただのパズラー小説であるはずもなく。主人公が妹と一線を越えた関係になりつつある高校生で、探偵役が病室に引きこもっているというなかなか独特な設定です。

この作品の見どころは、探偵役の病院坂さんによる、台詞オンリーの解決編。なんと2段組みの20ページ以上にもわたって、探偵役のセリフが続く解決編は圧巻です。その型破りさが注目されがちですが、普通ならしんどくなる台詞だけの20ページがペロリと読めてしまうのが西尾先生の凄いところだと思います。

また、やはりこの作品も、本質はミステリ部分ではないと強く感じます。もちろん、トリックや謎解き部分はしっかりしています。しかし、それだけでなく事件に関係ない部分の心地悪さ、解決後の後日談の奇妙さがこの作品の面白さの肝だと思います。言葉や謎から作り出すエンタメ性と、どうしようもなく感情を動かしてくる描写力、この二つを併せ持つのが西尾先生の魅力だと僕は思います。

悲鳴伝

最後は、伝説シリーズ一作目「悲鳴伝」です。見たことありませんか?やたら分厚くてやたらキラキラした表紙の新書サイズの小説。しかも、それが全部で10巻。西尾維新史上、最巨長編と銘打たれたこのシリーズは、とにかく長いという印象です。その、第1巻。何事にも動じない少年「空々空」が、人類を滅ぼそうとする地球とその手下の怪人と戦う。というストーリーです。分かりませんよね。でも、そのままなんです。

この作品が長いというのは、多分読者著者編集者含め全員の共通認識です。しかも、ストーリーが長いのではなく、必要以上に話が長い。1巻の分量に対して、ストーリが全然進まない。ずっと無駄話したり展開を引き延ばしたり、だらだらダラダラやってるな。って、別にアンチじゃないですからね。きっとみんなそう思ってます。でも10巻全部読んだわけですから、これを読ませる西尾先生が凄い。これ言っときゃ良いみたいになってますけど、本当にそう思います。これ読み終わった読後感は不思議ですよ、なんか一仕事終えたみたいな感さえあります。時間がある人しか無理かもしれないですが、興味があればぜひお読みください。

最後に

今日は西尾維新先生の紹介をしてきました。西尾先生は、速筆なだけあって僕たち読むべき量も多くなる傾向にあります。しかし、読んでみるとなかなか面白い経験が出来ます。ぜひ、時間がある時に、読み通してみてください。別に何のシリーズからでも構わないと思います。伝説シリーズから入るのはおすすめしませんが。

あと、僕は言葉遊びとかはあまり嗜まない方なので、その辺の紹介は全然できていません。ごめんなさい。

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