「理解する」のが先か「覚える」のが先か。どちらも間違いです。

日記

皆さんは、何か新しいことを学ぶときに、理解する事を優先しますか?それとも覚える事を優先しますか?僕はどちらも間違いだと思っています。この記事では、その理由と、ならばどうすれば良いのかをか書いていきます。

先に理解するには認知資源が足りない

理解せずに丸暗記なんて馬鹿のすることだ。僕も昔はそう思っていました。「数学や理科の公式は丸暗記しちゃだめだよ。」「社会だって流れや理由を理解して覚えるんだよ。」学校や塾の先生も、たいていそう言うんじゃないでしょうか。確かにそれが理想です。では、皆さんに質問です。そんな事できますか?

人間が一度に保持して操作できる記憶は7個前後だと言われています。それは言葉でも数字でも一緒です。だから、覚えていない情報だらけの新規事項のいきなり理解するなんて無理なんです。

例えば、三角形の面積の公式を初めて習ったとします。この時、頭では「三角形の/面積は/底辺/×/高さ/÷/2」だと認識しているはずです。この状態では、頭はいっぱいいっぱいです。それが何故かを理解する頭の余裕はありません。

一方、公式を憶えてある程度使いこなしてる人はどうでしょう。きっと「三角形の面積は/底辺×高さ÷2」くらいで認識できるのではないでしょうか。そうすると頭に余裕があるので、何故かを理解するのに使うことが出来ます。

このように、「はじめは理解できなかったけど、ある程度覚えてしまったら理解できるようになった。」というのはよくある話です。なるほど、先に理解してから覚える、というのは正しくない気がします。

先に覚えるのは苦痛

ここまでくると先に覚える方が正解な気がしてきます。では皆さんにもう一度同じことを聞きます。そんなことできますか?

この質問にはまず、無理だと答える人が多いかと思います。何の意味もない文字列や、何の思い入れもない人物名を暗記し続ける事は不可能だ。多くの人がそう思うでしょう。

しかし、いや出来るよ、という人もいるでしょう。有名な記憶術に、多くの情報を一枚のイメージにまとめてしまうというものがあります。確かにそうすれば、多くの情報を一塊にできます。そういった記憶術の訓練を積んだ人は、もしかしたら全てを理解しないまま、覚えきる事が可能かもしれません。

そんな人に聞きたいのが、「それは面白いか?」という事です。もちろん、記憶術を訓練してその成果を発揮すること自体はやりがいがあって楽しい事だと思います。しかし、例えば社会の内容を記憶術で覚えきった時、社会の楽しさが味わえているでしょうか。答えは「NO」だと、僕は思います。

勉強の面白さの本質は、「分からなかった事が、分かるようになる」だと思います。その瞬間の積み重ねがあなたの人生を豊かにします。分かる瞬間の面白さがない勉強は続きません。

少しづづを繰りかえす

「先に理解するのはダメ」「先に覚えるのもダメ」では、どうすれば良いのか分からなくなります。では、こう考えてみませんか?どちらから、とかどちらが大切か、とか考えるからわからなくなるんだと。

どちらかを先にしようとするのではなく、少しづつを繰りかえすのです。理解できる範囲を理解し、覚えられる範囲を憶える。すると、理解できる範囲が拡大し、また覚えられる範囲が拡大する。そうしていつの間にか、深く理解し、多くを覚える事が出来ているでしょう。「理解する」と「覚える」は、学習の両輪です。どちらかだけ回しても、進まないのは当然です。

一番最初に「知る」がある

ここまで読んでくださった方から、結局どっちが先なんだよ、というお叱りが飛んできそうです。卵が先か、にわとりが先かみたいな話ですよね。正直どっちでもいいじゃんと思いますが、僕なりの答えを書いておきます。

まずその前に、「知る」があるじゃん。ってのが僕の答えです。そもそも僕たちは、はじめから何ない状態から、学習するわけではありません。先にその分野を学習した人たちの足跡をたどる事が出来ます。先人たちが残した考えに触れ、理解する。人類が導きだした答えを、憶える。どちらも何かを「知った」瞬間から始まっているのではないでしょうか。

最後に

さて、今回は「理解する」と「覚える」について書いてきました。こんな記事を書きましたが、最近まで僕はゴリゴリに「先に理解する」派でした。理解するほうが大事だと思ってたし、理解するほうが簡単だと思ってたし、理解するほうがかっこいいと思っていました。

しかし、最近地学を学び始めてこの考えが変わりました。

地学を学ぶために買ったテキスト。初めて学ぶので、そこには当然全く知らない単語ばかりが並んでます。そこで、僕はいつも通りまずは解説のページを読み込んで理解しようとします。一時間勉強した結果、僕は、全く理解できないという成果を得ました。さすがに埒が明かないな、と思いとりあえず問題を解いてその答えを丸暗記してみました。一番簡単な、語句チェックが正解できるようになったところでもう一度解説を見てみると、なんとそこに書いてある事が8割くらいは理解できるようになっているではないですか。そして、僕はさらに丸暗記を進める事にしました。。。

さて、この考えに学生の頃に至れなかったのは少し残念だな、と思っております。と同時に今気づけて良かったなとも思ってます。勉強の効果を上げるために、勉強方法も大切ですが、同じくらい勉強に対する考え方も大切です。これからもしっかり考えて、勉めて強くなっていきたいと思います。

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